整菌大百科

肌の美しさは皮膚常在菌で決まる

4皮膚常在菌のバランスがカギ

善玉菌と呼ばれる皮膚常在菌は、その菌数バランスによって、 自ら肌を弱酸性の状態に整えたり、皮脂や汗、たんぱく質や脂質からなる成分を肌を守る皮脂膜に変える活動をしています。
こうした皮膚常在細菌の働きは、善玉菌と悪玉菌のバランスだけでなく、善玉菌同士の菌数バランスも大きく関係しており、善玉菌だからといって一方の菌を増やすようなケアをしたり、乳酸菌など腸の善玉菌を加えることは善玉菌の正しい働きを阻害する可能性があります。

この善玉菌と悪玉菌のバランスは、洗顔時の洗い方や洗顔に使用する
アイテムによっても、その菌数バランスに大きな影響を与えるので、
洗顔のアイテムには気を配りましょう。

5お肌の善玉菌の6つのはたらき

お肌の善玉菌は以下のような仕事をしています。

  • 1乾燥から肌を守る機能性皮脂層をつくる

    機能性皮脂層とは、おびただしい数の菌とその代謝産物、ならびに水分や皮脂その他によって生成される「生きている層」のこと。この機能性皮脂層をつくり、乾燥から皮膚を守り、保湿力を高めます。

  • 2紫外線によるダメージを軽減

    肌の善玉菌は紫外線を吸収する働きもしています。
    多い人で100万個(1cm2あたり)もの善玉菌が紫外線を吸収する働きをすることによって、紫外線の皮膚への障害が軽減されています。
    その効果は、市販のサンスクリーンクリームの90%前後の吸収率と言われています。

  • 3肌表面のpHを調整

    肌の善玉菌は肌表面のpHを調整して、弱酸性の肌をつくります。

  • 4活性酵素を分解し、肌の老化を防ぐ

    肌の善玉菌は有害な活性酸素や過酸化脂質から自らを守る働きがあります。その結果、私たちの肌もこうしたダメージから守られ、皮膚表層に有害な活性酸素や過酸化脂質が生成されることを防ぎ、肌の老化を防止します。

  • 5有害菌の進入や定着を防ぎ、炎症を防止

    善玉菌が、皮膚の表層で多量に活性化して生育している状態では、さまざまな有用な物質が産生し続けられます。肌がこのような環境になっている場合、有害菌がカラダの中に侵入することを防ぎ、侵入しても増殖をすることができません

  • 6各種成分を代謝し・提供

    肌の善玉菌は皮膚の生命活動に必要な各種成分を代謝し、提供します。

図
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私たちと共生する善玉菌は、皮膚表層に分泌される栄養源を代謝して生育し増殖しています。この時に、私たちの肌を健康に美しく維持していくために必要ないろいろな物質をつくり出しています。

6皮膚常在菌と肌の保湿のじつはとても深い関係

皮膚常在菌は汗腺からの水分・ミネラル・乳酸の補給と、皮脂腺からの皮脂を食物にして代謝物を産み出し、エマルジョン(乳化状態)をつくります。
この活動によって、じつは肌の水分が保持されているのです。
また、このプロセスと合せてグリセロールが水分を保持します。
さらに、菌は、角質を食物としてさまざまな物質を代謝し産出しますが、
角質そのものの成分と合わせて、その中のセラミドや
コレステロールエステル等の保湿成分を水分と結合させて、
自らが生育しやすい湿潤な環境を作り出します。
菌の代謝物を含め、全体としての表皮の保湿作用をするこれらの
物質をNMF(天然保湿成分)といいます。

皮膚常在菌の活動と肌の保湿力は、じつはとても深い関係にあるの
です。

7肌が弱酸性なのは皮膚常在菌の活動に理由があった!

ヒトの肌は弱酸性で、肌をすこやかに保つためには弱酸性を保つのがポイントと言われています。皮膚そのものは中性なのに、肌が弱酸性に保たれているのはじつは皮膚常在菌の活動によるものなのです。

美肌と皮膚常在菌のいい関係>

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